商売道具
「クロスシリンダー」といいます。長さは人差し指くらいでしょうか。
何に使うかというと、度数測定の際に乱視の度や角度を正確に検出するものです。
分度器を思い浮かべていただければわかると思います。1度単位というのは無理がありますが、
165度方向の乱視なのか170度なのかというのを調べるのに使います。
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ほとんどの眼鏡店では、まずオートレフというものを使います。
アドバルーン等が映っているものを覗き込んでピッピッと光を当てておおよその度数が出るのですが、
この数字だけを見て少しゆるくし、そのまま度数を決定してしまうお店が多いと聞きます。
客数をこなそうと思えば自然にそうなるのでしょうが、それが目に良いとも思えません。
カワイではオートレフのあと↓のような機械を使い、
裸眼視力の測定から完全矯正値まで測定し、お客様の年齢、用途、ご希望等を考慮して度数を
決定します。アレッ?「クロス-」が出てこなかったですが、ご心配なく。この機械の中に入ってい
ます。乱視には軸度というものがあり、例えば同じ-1.00の乱視でも180度に入るのと160度
に入るのでは見え方が違ってきます。
昔は(最近でも多いですが)
「中途半端な20度や70度、110度といったナナメな角度のものは180度、90度に揃えてしまえば良い」
という考え方が一般的でした。ところが70度の乱視を90度に振るというのは、また20度ずれた
ところに乱視が残ってしまうのです。理由があってわざとそうすることもありますから、角度をずら
すのがすべてダメというのではまりませんので…
最終的にはゆるめの度で作るにしても、本当はいくつ度数があってどのくらいまで矯正視力が上
がるのかというのを知った上で最終度数をオススメするのが大切だと考えています。
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ハイハイちょっと変わった道具の写真を見せようと思って書き出したらついつい必死になってしま
いました
上の写真のクロスシリンダーですが手に持ってクルックルッと表と裏をひっくり返して少しずつ
乱視の度数と角度を確認していく道具です。
どなたにでも使うというわけではなく(すごく時間がかかることがあるので)、
主に矯正視力が上がりにくいお年寄りや機械の小さな穴から覗くと見えづらいという方に使用します。
カワイは免許センターが近いので、週に何人も「免許が通らなんだんや~どうにかして~」という方
がお見えになるので、そういう時に「クロスシリンダー」活躍します。
基準の0.7がギリギリながらも視力検査にパスしたことが嬉しくて、免許センター帰りに
「またこれで3年乗れるわありがとな~」
とわざわざお礼を言いに寄ってくださる方もいらっしゃいます。メガネ屋をやっていて本当に良かったな
と思える瞬間です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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